実はファーストキスでした事件から三か月後……


「キラは結婚式の時、ドレスとタキシード。どちらを着たいですか?」
「ぼくはタキシードかなぁ」
「そうですか。私とキラ、ダブルでウェディングドレスというのも良いかとお思いましたのに」
「ぼくがドレス着たって似合わないよ」
「そんなことありませんわ。キラは格好良くもあるし、可愛くもあるんですもの。なんなら私がタキシードを着て見ましょうか?」
「えぇっ?いーや!ラクスは絶対ドレス!!」
「ではお色直しで全部挑戦するというのは?」


 以上の会話から分かる(?)ように、ぼくらはいつの間にか本当に恋人同士になっちゃってました。
 流されたというか、ラクスの積極的なアプローチに惚れちゃったというか……ともかくぼくはラクスのことを本当にそういう意味で大好きになってしまっているわけで。

 ちなみにこんなぼくらにアスランとメイリンはというと……

「相変わらずキラとラクス様ったらラブラブね。最初は正直うそぉって思っちゃったけど」
「こうして見てるとお似合いだよな。愛に性別なんて関係ないんだな」
「私とアスランさんだけは偏見を持たずに二人を応援していかなきゃ!」

 勘違いしたまんま、ぼくたちを祝福してくれています。
 ラクスはぼく以外に真実を告げるつもりはないらしいんで、おそらく誤解は一生続いていくものだと思います。なんかもー今となっちゃ、些細なことにしか感じません。

 あれから何も知らなかったぼくは、招待されたコンサートで初めてラクスの歌声を聴き、感動しました。やはりラクスにはずっと歌っていて欲しい。だからこれからも秘密は二人だけのものです(あっ、ラクスのお父さんもね)。

 余談ですけど、ラクスはぼくに男の子に戻って欲しいと言われたなら、これをラスト・コンサートにするつもりだったらしく、感動して興奮していたぼくはつい「ぼくのために歌姫を捨てるだなんて言わず、ぼくの為に歌い続けて欲しい」なんて恥ずかしい台詞を口走ってしまい、ラクスに襲われかけました。
 大丈夫!今のところは貞操は無事です。今のところは……。

 と、まぁ多少問題はあれど、


「メイリンったらほんとにどーやってアスランをゲットしたのよ!」
「えへへ」
「キラも恋人ができたんだって?」
「えっと…はい」
「そーゆうの興味なさそうな顔してたくせに!あーもぉ、私だけ独り身?こうなったらシンで我慢しようかなぁ」
「ちょっとおい!聞こえたぞルナ先輩!我慢ってなんだよっ!俺にはステ…す、好きな娘がいるっての!」


 コイバナにこうして楽しく花を咲かせられるくらい、ぼくらの恋は順調です。